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  演技解説・写真集

What's RED ARROWS?

世界最優秀アエロバティックチームはどのチームか?
と、もしも全ての航空ファンに一人1票を投じてもらった場合、おそらくベスト3の中にはこの英国ロイヤルエアフォースの誇るレッドアローズの名が連ねる事でしょう。9機のホークT1Aを使用するレッドアローズはレベルの高い欧州のチームの中でも実力派として知られています。
実際に見て感じたのは、その噂は伊達では無かったという事です。練習機ながら9機のパワーは凄まじく、迫力、そして演技の緻密さ、どちらも兼ね備えた素晴らしいチームでした。
私が今まで見てきたチームは、まだブルーインパルス、サンダーバーズ、パトルイユスイス、パトルーラアギラにレッドアローズとまだ少なく、またこの手のチームは競争するものではないのであまり順位付けはしたくないのですが、実力に関してはレッドアローズがトップであると断言しても問題無いのではないかと思っています。
それほど、機体性能といい、演技構成といいほとんど完璧の域にあると言ってもいいでしょう。ファンボローエアショーで1機脱落するところも見ましたが(^^;
ああ、レッドアローズと並び称される欧州御三家(私が勝手に決めた)、パトルイユドフランスやフレッチェトリコローリと見比べてみたかった。きやつらよくもエアタトゥーをドタキャンしやがったなー!

演技もさることながら、レッドアローズの特徴のひとつに、リーダー機の奇声があります。

「スモーク オン!」

「ロール ナーウ!」

「あーめまー!!」(意味不明)

ともかく叫びます。気合入ってます。そしてわざと会場に流してます。
面白すぎて子供まで叫びだす始末。

Red Arrowsの発足は1964年、Yellowjacksという既存のチームを引き継ぐ形でスタートしました。
初代の使用機はフォーランド ナット。ナットは印パ戦争ではインド側の軽戦闘機として使用され、パキスタンのF-86Fを撃墜する戦果をもあげました。ナットは歴史上最小のジェット戦闘機で、全長:8.74m 全幅:6.73m 全高:2.46mと、He162ザラマンダーよりも小さいのです。イギリスでは専ら練習機として使用されていました。1979年に現在のホークT1に機種更新し、現在に至ります。

レッドアローズは展示回数の多さに於いては紛れも無く世界一で、40年間の歴史の中で50カ国で延べ4000回以上の展示を実施しています。すなわち年に100回以上の展示を行っている事になります。
私が渡英した2006年も7月22日(土)にファンボローエアショーで展示を終えたレッドアローズはベルギーに赴き、翌23日ご当地のSanicole Airshowで展示を行い、その日のうちに英国に戻り同日23日再びファンボローエアショーで展示すると言う笑えない鬼のようなスケジュールを実行しました。レッドアローズにおいてダブルヘッダーはあって当たり前の予定に過ぎません。もちろん20日も21日も22日もファンボローエアショーでレッドアローズは展示を行っていましたし、シーズン中はほとんど毎日レッドアローズは欧州各地どこかしらで飛行を行っているのです。

ちなみに夫人が「日曜未亡人」になるなどと揶揄されるブルーインパルスは年間20回程度です。
2006年5月14日、ブルーインパルスは奥松島まつりで展示を行うため同日行われた静浜基地航空祭での飛行は予定されませんでした。もしレッドアローズなら5月13日土曜日に浜松入りしリモートで静浜上空で展示(プラクティス)、14日に静浜で本番展示、浜松に引き返し給油を行いターンアラウンドして奥松島で航過飛行しその足で帰還。といったスケジュールが組まれていた事でしょう。別にブルーインパルスにそうしろと言うのではなく、レッドアローズならこうしていた。という話ですが。
レッドアローズの展示が最も多かった年は1995年で、136回もの展示が行われました。
レッドアローズに配属されるパイロットの任期は3年で、1年に3人ずつ配属され、3人は元の戦闘機隊に復帰します。つまり、恐ろしい事に9機の機体に対してパイロットは9人しか居ないのです。パイロットに一人欠員が出たら8機で飛行するし、リーダーが突然病に倒れたとしたら、飛行は行われません。それでいて年100回の任務をこなすのだから恐ろしいとしか言いようがありません…。

上写真は予備機の+2が加算された11機というフレッチェトリコローリの10を超える珍しい編隊でやって来たレッドアローズです。9人しかいないなら予備機の運ちゃんは誰なんだ。


使用機材 Hawk T1A

ホークはナットの後継として当時のホーカーシドレー社で設計・製造されました。この手の練習機はほとんど形状が変わりませんね。翼下2箇所、合計4箇所に兵装を搭載する事により軽攻撃機としての能力を持ち、レッドアローズで使用されている改造型T1AではAIM-9Lサイドワインダーの装備も可能です。
アエロバティック機としての性能は旋回性能もロールレートも申し分なく、推力重量比も十分と言えるでしょう。レッドアローズの展示を見ていて、ホークがアエロバティック機としては理想的であると感じても、性能不足を感じさせる点は全くありませんでした。数字上もほとんどT-4と同等、推力重量比でやや劣る程度でしょう。

高い運動性能と整備性軽攻撃機としての能力を買われ、ブルネイ、フィンランド、インドネシア、ケニア、クウェート、マレーシア、オマーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、米海軍(T-45ゴスホーク艦載練習機)と、世界各国で使用されています。
現在でもBAEシステムズにより搭載武装の強化などが行われた最新型の売込みが行われています。
(PHOTO:taka シンガポールエアショーにて。)


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