Patrouille de France パトルイユ・ド・フランス 演技解説・写真
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  演技解説・写真集

撮影:2007年08月24日及び25日、26日 ロシア ジュコフスキー空軍基地MAKS2007にて
各演技課目は実施順です。

パトルイユドフランスの演技名はほぼ全てフランス語です。
また、序盤の編隊演技は名前と言うよりも何をやって何をするといった順序が記されています。
それぞれ英訳、もしくは和訳を分かる限り添えています。
仏英語指導:某学生さん ありがとう。

演技図解は公式ガイドから転用しています。

Premier passage public en diamant.
プレミエル・パッサージュ・ピュブリカン・ディアマン
英訳:First public passage in diamant
和訳:ディアマン編隊による最初のパス

ヨーロピアンビッグスリーの一翼を担うパトルイユ・ド・フランス最初の演技はフランストリコロールを描きます。
青は自由を、白は平等を、赤は博愛を表わします。
ラララ ラーラーラーラーラーララ♪ラララ ランラーンラララー(ラ・マルセイエーズで)

最後にロシア国旗が出ますので順番を覚えてくださいね。フランス国旗は左から青白赤です。期末試験に出ますよ?

ディアマンとはダイヤモンドの意。菱形を作るいわゆるダイヤモンド編隊よりも、
よりダイヤモンドに近い形をしていますよね。



Les tonneaux simultanes,
tombe droit et oreille droite en concorde.

ル・トノー・スィミュルターネ、トンブ・ドロワト・アトレイユ・ドロワト・アン・コンコルド
英訳:Roll toghether, fall to the right and turn right in Concorde
和訳:一斉ロール、右ループとコンコルド編隊による右旋回

演技名が長いですが、それもそのはず3つぐらいの機動が含まれています。
国旗を描き終えたパトルイユは右から進入。同時ロールを行います。
ああ、見事にズレてますな……(笑) どこの国もこれ合わせるのは大変です。まして8機ですから。
急に編隊がゆるくなり、何もせずに進入してきたので容易に予測する事が出来ました。
カメラレディ!とも言ってましたし、ブルーで言うところのボントンロールと全く同じパターンです。


ロールからリカバリー後は左に抜けずそのままループに入ります。


ループの頂点で捻り、会場奥へ。その後すぐに会場正面からこちらに向うよう右旋回します。
この間、ディアマン編隊からコンコルド編隊にチェンジします。
編隊の形状がコンコルドSSTのようでしょ?(2枚目)


↑機動図は客席側が手前になったり奥になったり、滅茶苦茶に視点が変化して分かり難いのですが、
滑走路の近くに小さい記号が確認できると思います。これが観客席センターです。


Le trefle a droite en Concorde.
ル・トレフル・ア・ドロワト・アン・コンコルド
英訳: the clover to the right in Concorde
和訳:コンコルド編隊による右クローバー


右旋回を終え、会場正面からまっすぐ進入してきたパトルイユはコンコルド編隊を維持しつつ、
右クローバーリーフ機動を行います。四葉のクローバーの1枚を描くような軌跡です。

この機動で会場正面から進入したパトルイユは会場右側からの進入に切り替わります。



Le tombe a gauche en Dard et l’oreille
a gauche en canard puis alpha.

ル・トンブ・ア・ゴーシュ・アン・ダルデ・ロレイユ・ア・ゴーシュ・アン・カナル・ピュイザルファ
英訳:Fall left in Dard, left turn in Canard, then Alpha
和訳:ダード編隊での右ループ - カナル編隊による左旋回〜アルファ編隊


先の機動を終え会場左側より進入したパトルイユはループしつつコンコルド編隊からダード編隊にチェンジ。
ループの頂点でやや捻り、会場正面奥側へ離脱します。
ダードとは毒牙の意味。英語で言うところのスティンガーです。


ああ、捻りループが終わった。ふーっと一息。と思ったら、離脱しつつロールバックを組み込み、
観客にすら一息つかす余裕を与えません。これだからヨーロピアンスタイルは面白いのです!
同時にカナル編隊へと組替えます。スペルは「Canard」すなわち先尾翼のカナードです。
ちなみにカナルとはアヒルの意味の仏語から来ています。エルロンとか仏語発の航空用語は多いですね。

(アルファ編隊での左旋回は遠くて撮影していません)



Le tourne a gauche, tourne a droite
et le grand tourne a gauche en diamant.

ル・トゥルヌ・ア・ゴーシュ、トゥルヌ・ア・ドロワト・エ・ル・グラン・トゥルヌ・ア・ゴーシュ・アン・ディアマン
英訳:Left turn, right turn and the great left turn in Diamant
和訳:左旋回(どうみても捻りループだ)〜右旋回 ディアマン編隊によるエルグランレフトターン

会場正面からアルファ編隊で進入。捻りループを行い、向って右奥に針路を取ります。


次に、そのまま水平に半円を描くように右旋回しつつカナル編隊にチェンジし、会場正面をパスし、会場奥へ。




会場奥でお得意の捻りループを行いつつ編隊を再びディアマン編隊にチェンジ。
再びこちらに向き、さらに左旋回(エルグランレフトターン?)で会場左側から進入してきます。


な、長い(^^;


Le tombe a gauche en grande fleche.
ル・トンブ・ア・ゴシュ・アン・グランド・フレシュ
英訳:Drop to the Left in Grande Fleche
和訳:グランドフレシュ編隊による左ループ


左側から進入してきたパトルイユは会場正面で僅かに捻ったループをしつつディアマン編隊から
グランドフレシュ編隊に。 フレシュはフレッチェ・トリコローリと同じ「矢」ですね。
よく考えてみたら、純粋な編隊ループってパトルイユドフランスではやりませんでした。




Le tonneau en Te.
ル・トノー・アン・テー
英訳:the Barrel Roll in Te
和訳:テー編隊によるバレルロール

先の機動で会場右奥へ抜けたパトルイユはグランドフレッシェ編隊からテー編隊にチェンジしつつ右旋回し、
再び会場正面に右側から進入します。テーとはフランス語におけるアルファベットのTの事。



縦や横一直線の編隊は組むだけでも難しいのに、さらにバレルロールって……。
両端の機のパイロットの技量に感服!




Le diamant dos.
ル・ディアマン・ド
英訳:the Inverted Diamant
和訳:ディアマン編隊によるインバーテッド

Tの両翼部が徐々に後退しディアマン編隊へとチェンジ中。左旋回し会場左から進入します。



ディアマン編隊で左から進入し、2-3-1-1と反転し、リーダー機以外背面で会場正面をパスします。




Le tombe gauche en Concorde
et l’oreille a gauche en Canard.

ル・トンブ・ゴシュ・アン・コンコルド・エ・ロレイユ・ア・ゴシュ・アン・カナル
英訳: Left fall in Concorde and left turn in Canard
和訳:コンコルド編隊による左ループ  カナル編隊による左旋回

会場右手に抜けつつ、背面だった機がリカバリーします。
しかし、なんでこんな半端な演技の区切りするんでしょうね。切れ目の無いヨーロピアンは流石です。


なぜか最後尾につけていた2,3番機が背面からロールバックに入ります。
しかし、同時に編隊はループに入る。追いつけるのか!?


あっという間にジョインアップ。同時コンコルド編隊が出来上がりました。
ロールバック機動を行いエネルギーを消費したウィングマンが追いつけるだけの余剰推力を残しつつ
ループしているのですから、アルファジェットという飛行機の性能の高さを窺い知る事が出来ます。

この後、カナル編隊にチェンジし、会場正面奥で左旋回し、再び正面から進入します。
(遠かったので撮影してません)



L’eclatement intermediaire.
ルクラテマン・インテルメディエール
英訳:the Interim Break
和訳:中間ブレイク(訳が美しくない)


さあ、前半の山場がやって参りました。カナル編隊の前後4機ずつに分かれた後に一斉にブレイクし会場に花を咲かせます。




Le croisement evitement a 4.
ル・クロワセマンタビタマン・ア・カトル
英訳:the Dodging Crossing of 4
和訳:4機による回避交差

先の機動で散会したうちの4機が素早く会場正面に集結し複雑なクロスを行います。


この写真、ただのクロスの撮りそこないに過ぎませんが、
先の機動で編隊を解散し、すぐにクロス。その間にすでに他の4機が集結し編隊機動を行うべく
進入しようとしている様子が写っています。
一瞬たりとも視界から消えないヨーロピアンスタイルの凄さの一旦を垣間見る事が出来ます。




La Volute.
ラ・ヴォリュト
英訳:the Spiral
和訳:渦巻き

会場正面から進入した4機のパトルイユはタイミングをずらして大きく変形バレルロール。
渦巻きを描き、左へ離脱します。




Le Big Bang.
ル・ビッグバン
英訳:the Big Bang
和訳:ビッグバン

意味不明機動その1。会場正面から進入した4機のパトルイユはバラバラにエルロンロール。
その後ブレイクし散開します。




Le croisement inversion a 4.
ル・ クロワセマンティンヴェルズィオン・ア・カトル
英訳:the Inverting Cross of 4
和訳:4機背面交差

先ほどクロスしたのとは別のパトルイユが全機背面状態でクロスします。




Les barriques alternees et le grand tourne a gauche.
ル・バリケザルテルネー・エ・ル・グラン・トゥルヌ・ア・ゴシュ
英訳:Barrel Rolls in sequence and the great left turn
和訳:連続バレルロール - エルグランレフトターン(ターンというか殆どループじゃん…)

意味不明機動その2。リーダー機を中心に3機がタイミングも大きさもバラバラにバレルロール
言葉では説明し難い右に左にバレルロールし、今度はそのままループに入ります。


最後にバレルロールを行った3番機もあっという間にジョイン。


お得意の軽く捻るループで右奥へと離脱します。




Le King-flap des solos.
ル・キング・フラップ・ド・ソロ
英訳:the King-flap of the Solos
和訳:ソロ機によるキングフラップ


360度エルロンロールを一糸乱れぬミラーリング機動で行います。
King-flapとは恐らく対称という意味だと思います。


リカバリーもミラーリング。重なってますね……。




La Sherif.
ラ・シェリフ
英訳:the Sheriff
和訳:保安官?長官?どうしてそういう名なのでしょうか……。長官と従者を表現しているのかも?

右から6機のパトルイユがロールバックを実施しつつ接近してまいりました。



パトルイユ・ド・フランス最高の大技 ラ・シェリフ!
3機が同時にロール。1機はインバーテッド状態に、うち2機は向かい合ったままナイフエッジを維持し
会場正面をパスします。
この機動を見た瞬間、体と思考が凍りつきました。
過去、10を越すチームを見てきましたが、ラ・シェリフほど衝撃を受けた機動は有りません。



そして、ショックの余韻を感じる間も無く、ナイフエッジからリカバリーした2機はロールバックに入ります。
これだからヨーロピアンスタイルは面白いのです!(3回目) パトルイユドフランス最高!!




Le tombe a droite en 2 poutres a 6.
ル・トンブ・ア・ドロワト・アン・ドゥプートル・ア・シス
英訳: drop right in 2 poutres with 6
和訳:6機による、ドゥプートル右ループ

ラ・シェリフのロールバック直後にドゥプートル右ループ機動に入ります。頂点で捻り左側奥へ離脱します。
ドゥプートルとは2本のビームの意。




La Percussion.
ラ・ペルキュッスィオン
英訳:the Impact
和訳:衝突 ……なんという大胆な名前!

まだまだ休ませませんよ?正面から進入してきた2機がクロスし、左右に分かれます。




Le croisement dos.
ル・クロワセマン・ド
英訳:the Inverted Cross
和訳:背面交差…むしろそのままインバーテッドクロス

先ほど分かれた2機が滑走路上でクロスします。
しかし、クロス系の演技の写真全滅とは我ながら情けない。
この機動と上の機動とであわせブルーインパルスで言うところの「タッククロス」に似た機動です。




Le croisement de patrouilles.
ル・クロワセマン・ド・パトルイユ
英訳:the Crossing of the Patrouilles
和訳:パトルイユ・クロス

正面から進入してきた6機のパトルイユはループに入り、ループの頂点で2機、4機の別個の編隊に分かれます。


さあ、来るぞ来るぞ…!


イヤアア!見事に編隊クロスが決まりました!



Le Ticking Clock.
ル・ティッキング・クロック
英訳:the Ticking Clock
和訳:チクタク時計

ブルーインパルスで言うところのコークスクリューですが、パトルイユドフランスでは時計なんですね。
中心となるリーダー機はウィングマンが60秒を刻むと反転、60秒を刻むと反転、60秒を刻むと反転…と
リズミカルにエルロンロールを繰り返します。


リーダー機にかなり近い距離で回っているのも特徴的です。




Le coeur.
ル・クール
英訳:the Heart
和訳:ハート

この位置で何の機動をするか分かった貴方はアエロバティック通です。


飛行機オタクの私にはラ・シェリフが一番凄いと感じましたが、
やはり歓声が湧き上がるのはこの演技ですね。会場は一気に盛り上がります。
3機+3機でハートを描き、さらに2機で矢を描いています。合計8機。そうパトルイユドフランス全機です。




L’eclatement final.
ルクラテマン・フィナル
英訳:the Final Burst
和訳:ファイナルバースト

最後の演技 ルクラテマン・フィナル!
ため息禁止。まばたき禁止。見ているだけで疲れる。という幸せな時間もいよいよ終わり。
さよならーすーるのは辛いけど〜♪じーかんd…こんにちは JAS○ACの者ですが。


ラ・パトルイユ・ド・フランス! メルシー ボクー!




Флаг России
フラグロッシィ
英訳:Flag of Russia
和訳:ロシア国旗

ロシアントリコロールです。ルスキーイェ(ロシア人)どもおおはしゃぎ!第三国人の日本人はどうすればいいのでしょう!?
とりあえず、ウラアアアーー!


最初のフランス国旗はディアマン編隊でしたがグランドフレシュ編隊です。
いいなあ、こうして国旗が描けるって。パトルイユドフランスが来日したらどうするんだろう?
赤スモークを出せる機が真中になって、白いスモークをひきつつ瞬間的に赤に切りかえて日の丸を実現?
…難しいか。でも愛国心が薄い日本でも盛り上がりそうですね。


陸〜着陸


離陸は毎日違ったパターンで行われました。
4+4の編隊で離陸したり8機が矢継ぎ早に1機ずつ離陸したり。


アプローチはディアマン編隊からピッチアップブレイクで行われましたが、
珍しいことに最後尾の8番機から離脱します。


フランス国旗はどっち?まさかカンニングしなきゃ分からない奴はいねーだろうな( ´∀`)


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