第46回:戦闘機基地訴訟について考える。その4

No AWACS会 最終章

今回は「戦闘機基地訴訟について考える」という題名をうっての基地反対派を特集する最終回となります。
まず、いきなりこのページに飛んできた方は、最初に第三七回、第三八回、第四五回に十分に目を通しておいてください。

まず、最初は彼らに対する私の返信です。なお、この時点で半年の空白期間があいています。私自身No!AWACSの返答に呆れていたのもありますが、今 回、飛行機のお話にて市民団体を称するNo!AWACSの会の実態を皆さんに知って欲しいために返信を行いました。

以下、私の返信

以下私の返信
こんにちは、以前質問をさせて頂きました伊吹です。

前のメールをいただきまして有効な返答が無く(読んでもらっていない?)、質問したことに対して議論のすり替えしかない事から、これ以上何を書いても無駄であろうと、失礼ながら返信をいたしませんでした。

まず、最初にひとつだけ反論させて頂きます。私が質問したにも関わらず返答をいただけなかった阪神大震災の件です。

●あなたのご意見(注:前メールからの引用)
『もう一つ、阪神大震災のことがかかれていましたので、これについて、私が聞いてい
ることです。
被災者の方からの話ですが、あの時自衛隊が何をしてくれたかということについての
報告を読ませてもらったことがあります。被災者の懇願を聞かないふりをしているの
か、その場にいながら何もしようとしなかった。何故それだけの人数がいるのに、こ
のなかに下敷きになっている人を助けてくれという私の願いを聞いてくれないのかと
訴えても命令がないという返事がかえって来ただけだった。また、そのとき派遣され
た自衛隊員の言葉もありました。同じ場所にいたということではありません。そこに
いて、命令がないままなにも出来なかった事がとても辛かった。というのです。レス
キューが来るのを待つしかなかったというのですね。つまり、自衛隊員が何とかした
いと思うんです。しかし隊としてはそれを許さない状況もあるということです。人の
命と隊としてのうごきをとれば、隊としてどうするかということが大事であるという
ことです。同じようなことは三宅島などはじめ、いくつも報告されています。先の沖
縄戦でもいわれているように、軍は民衆を守るのではありません。民衆のためにある
のでもありません。自衛隊と軍隊は違うといわれればそれについて、討論しても長く
なりますが、隊としてどう動くかというときの根拠は人の命ではないということで
す。ひとりひとりの隊員の意志は無視されるということです。』

■私の回答
私もその場に居たわけではありません。この助けを呼んだ方とその関係者が亡くなられたのかも知ることは出来ません。以上を踏まえた上で「命令がない」それ故に動けない。何故命令が無かったのかこれは何故かご存知でしょうか?

(災害派遣)自衛隊法83条:
「都道府県知事その他政令で定める者は、天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊等の派遣を長官又はその指定する者に要請することができる。」

何のことはありません、知事自身が被災者であり出動を即急に要請する事が出来なかった…という事実です。さらに災害出動ですら反対した団体があったという事実もあります。彼らの行動がどれだけ遅延を来たしたかは計り知ることは出来ませんが少なからず「救える命」に影響があったことは間違いないでしょう。
法治国家である以上、全ては法によって動いています。法を無視した行動を行えばそれは犯罪です。もしこの時、超法規的措置により勝手に自衛隊が動いていたならばそれは後になんと評価されていたでしょう。
自衛隊が独自に勝手に行動していれば、それは「軍の暴走」に他なりません。

また次に視点を下げて、隊員個人での活動についてはどうでしょうか。軍に限らず人の集まりという物は各個人が勝手に動くよりも、リーダーを置きその指示によって行動するほうがより能率的である事は疑いようの無い事実です。
もしも、個人の隊員が自衛隊法を犯し、バラバラに行動してはやはりここでも救える命が散り、犠牲者数は増加していた事でしょう。間違いなく。
貴方の仰る「しかし隊としてはそれを許さない状況もあるということです。」「ひとりひとりの隊員の意志は無視されるということです。」とは、つまりこういう事です。

レスキューが来るまで…とありますが、Rescue.つまり救援者とは消防隊のレスキュー隊の事ではなく救助活動に当たった自衛隊の部隊その物を意味する言葉でもありますよ。また、自衛隊のレスキュー出動とは消防や海上保安庁などでは手に負えない場合に、はじめて要請される物であることを知ってください。



さて、本題に入ります。確実に回答がほしいので今度は箇条書きで質問させていただきます。棄権はせずYESかNOかで答えて下さい。 まず曖昧ではないYes or Noを最初に明言した上で補足文を加えてもらっても結構です。


1.自衛隊(軍隊)は命を救うことは出来ないと仰られました。上記にあげた阪神大震災の件について自衛隊の出動が無くとも犠牲者数は増えて居なかった。YES or NO ?


2.他国の軍隊が阪神大震災の救援活動として軍のレスキュー部隊を派遣しました。これについては救助犬の免疫問題などから飛行場で足止めされる事態があるなど問題があったものの、レスキュー隊と言えども軍隊を派遣するべきでは無かった。YES or NO?


3.現実として自衛隊に救助された人の前で「自衛隊は命を救えることが出来ない」と、貴方はNoAWACSの会の一員として言えるか。YES or NO?


4.http://homura19.hp.infoseek.co.jp/Diary_Data/2001/2001.08/8.29_2.htm こちらのウェブページをご覧下さい。ここに掲載されている過去のニュース。この方は海上保安庁から要請された海上自衛隊機により発見・救助されました。自衛隊に救助されず死ぬべきであったか。 YES or NO?


5.以上の事実があるにも関わらず、「自衛隊(軍隊)は命を救うことは出来ない」と断言できるか。YES or NO?


6.貴方自身が、万が一大地震において被災し、生き埋めなど命の危険な状況に陥った時、自衛隊の救助をきっぱりと断る事ができるか。 YES or NO?


7.6の状況において、貴方が本位不本意に限らず自衛隊に救助された場合、自衛隊は命を救うことが出来ないと非難する事が出来るか。YES or NO?


ー以下趣向をやや変えますー
8.貴方の言う武器を持つ国家権力の撤廃が行われた後、押さえが効かなくなった暴力団などの活動が活発になり今以上に生活権、生存権が脅かされる社会には「ならないと思う」か。 YES or NO?


9.貴方の生活する市に存在する徳川家康の時代の兵器の展示には文句がつけられないのと同様、500年後に現在のAWACSや戦闘機が展示された場合、それについては文句を付ける必要は無いと思うか。 YES or NO?


10.No!AWACSの会では、アメリカ軍の運用するナブスター衛星を使ったカーナビの使用は許される範疇である。YES or NO?


11.インターネットを利用した広報活動を今後No!AWACSの会としてはやめるつもりは無い。YES or NO?


12.私と貴方は、お互いを分かり合える事ができる。YES or NO?

ー以上です。ー


しつこいようですが、全ての質問は既に貴方に対して投げかけたものですが、どれ一つとして返事がいただけませんでした。今度こそ有効な返事がいただける事を期待しています。もう議論をはぐらかすような真似を行わないでください。

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私は今まで議論のすり替えばかりで、まともな返信が無い彼らからのメール。以上のような逃げようの無い箇条書きでYESorNOかを答えてもらう形式の質問に切り替えました。

彼らはこれらの質問に答えることができるでしょうか。

以下、No!AWACS代表からの返信です。

ちょっとおかしいですね。
あなたが、質問に対して有効な答えがないと言うのと同じように、あなたの意見もこ
れでは私の意見を聞いていただけたのかなと感じてしまいます。私も前回もいいまし
たが、聞いた話(当事者から)で、その場にいたものではありません。ただ消防隊の
レスキューのことを私はいっているのです。
自衛隊法があるから、自衛隊が動けないというのでなく、私たちはあなたも言ってい
るように軍としての自衛隊はいらないと考えているのです。(注※下参照)その点でいえばあなたの
質問にyesかnoかで答えてもまた違った捕らえ方をされるでしょう。
今後インターネット上で広報活動を控える気持ちはありません。
こういう形で私はこうだ、あなたはこうだを繰り返しても多分あなたの方もこちらの
意見を受け入れる気持ちはないようですし、上記(軍隊として自衛隊の存在はいらな
い)という私たちの気持ち、戦争も軍隊も基地もいらないという人々の気持ちは伝わ
らないでしょう。
人に物事をきく、あるいは論議をするときにどっちの答えを選ぶのかという問いかけ
は受け入れられませんので、このことについては拒否させていただきます。
ただし、あなたは勝手に考えろというつもりはありません。私たちの気持ちは当然広
く今後も伝えていきますし、おおくの意見、いろいろな意見を受ける事もあると思い
ます。ただ自分の立場にそくして二つから選べという質問や意見を受け入れる事はで
きません。丸かばつかで成り立つ関係はないと思いますので、(あなたがどう思う
と)こういう形で提起をされる方とは話をする前提のところからまずなりたちません
ね。
その点をいわせてもらいまして、終わりにしたいと思います。
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注※:私は戦争と軍隊を必要としない世界が実現できれば幸せだとは言いましたが、軍隊としての自衛隊が必要無いなどとは言っていませんし、どこにも書かれていません。彼が全く読んでない証拠ですね。

…以上です。彼らの返信はこれで最後になります。おそらくは私の出したメールに少なからず怒りを覚えたことでしょう。しかし自分の意見も述べられない彼ら。皆さんは最後の返信を読んでどうお考えでしょうか。次は私が送信した最後のメールです。

以下、私の返信

分かりました。
正直な話、質問に対する返事がいただけるとは思っていませんでした。YESとNOどちらを選んでも貴方達の矛盾を突いたわざと返事を行えないような質問を選んで送ったのですから。自分の命が晒されているのに助けるな!などといえるわけ無いですよね。

しかし、それが貴方から貰えた最大の答えです。結局貴方達No!AWACSの会がいかに矛盾した主張を行っているかを晴らすことが出来ないわけですからね。最後の分かり合えるか?という質問についてもNoAWACSの会の自身から「否」という言葉が出された訳です。

さて、私とあなたがたとの話し合いですら決裂してしまう思想の違い、果たしてこれが合法的なコロシ、すなわち戦争が絡んでくる民族・国家間で話し合いで平和が訪れるのでしょうか。その答えも出ましたね。

インターネットを利用した広報活動もどうぞ行ってください。最初のメールにも私は書きました。
「これら文明の利器を使うな!とは言いません。私にそんな事言える権利はありません。「事実」であることを知っていてください。」と…。

私としての結論は貴方がたは現実という社会から目を背け、有り得ない事実で固めた自分が作り出した、自分だけの好みの世界に引き篭もり、平和平和を唱えるだけで、なんら行動を起こさない自分が正義であると思い込んで自己満足しているだけということです。あなたたちは軍だけじゃ平和は訪れないと言い切りました。たしかにその通りです。しかしながら、あなたがたが集まって有り得ない条件を前提とした平和平和を叫んだところで何ら変わらないのも事実でしょう。

では、あなたがたNO!AWACSの会員に自動車にカーナビを使っている造反者がいない事を節に祈って…今まで長い間お付き合いいただきありがとうございました。と言わせて頂きます。

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全てを終えて


全てが終結しました。結局彼らは最後まで議論のすり替えを行い、自分が主張した事の矛盾から目をそむけ、平和平和を叫んでるだけで、自分が正義であると思 い込んでる団体であることが分かりました。この期に及んでレスキュー部隊が消防のことだとか何とか…そんなこと言ってるんじゃないでしょうがねぇ。第一消 防隊も命令で動いてるわけだし。

文中にも何度も私は書いていますが、私自身防衛庁側の味方でもありません。自分達の生活が飛行機の騒音などによって侵されているのであれば、それは断固抗議するべきです。もちろん彼らの活動を支援するつもりもありません。

思想の面にしても、人それぞれの価値観が有る訳ですから私自身の考えと合わなくても、私はそれを受け入れるつもりでありました。自分達の確固たる思想があ るならば、それを正当化して欲しかったのですが…彼らはどうでしょう。矛盾を主張しつづけ私が指摘したにも関わらず、それを見ても見ぬフリ…結局「こうだ から、こうなんだ!」と主張するばかりで何ら一つ理論的に納得できる答えはありませんでした。

しかしこのやり取りは完全に時間の無駄では有りませんでした。私は彼ら「平和の市民団体」を称するグループについての知識を深めることができました。
ノモンハン事変の日本陸軍のように事実から目をつぶって自分達の都合の良い世界に引き篭もった彼らは私から少なからず知識を得ることが出来たでしょうか?


結局彼らは何が目的なんでしょうかね?
私には「平和の為に働いている」と錯覚し、余暇の時間をメリハリをつけて、ご近所とのコミュニケーションの一つとして過ごしているだけのように少なくとも私は感じます。

では、これにて4回に渡って特集した「戦闘機基地の騒音訴訟について考える」を終了とさせて頂きます。最後に一言…

「自分に自信があるなら、正々堂々YESと言え!!」
まぁ無いんでしょうがね。

(更新日:2004年2月4日)

(追記:2004年11月)------------------------
彼らのサイトの自衛隊に反対するページに以下のような記述がありました。

北朝鮮のテポドンやテロなど恐れることは無いのです。
なぜなら、正しい行為をしていることほど、この世に最強のものはないのですから!


アッラーの正義の元アメリカにテロを繰り返すイスラム過激派。自由の正義の元イスラム過激派を掃討するアメリカ。
自分の言っていることが、どれほど狂気であるか彼らは気が付いているのでしょうか。

もはや突っ込むのも馬鹿馬鹿しい意見です。

(追記日:2008年10月)------------------------
今思えば彼等の言う、YES・NOで迫るやり方は確かに良くなかったと思います。
今なら、もっとうまく対応できたのではないかと、反省すべき点が数多くあります。

最後の驚くべき文章についてですが、

つまり、こう言う事ですよね?
(ラムズフェルド元国防長官)


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