3日目ネリスエアショー初日


前日のトラブルで全然睡眠を取れなかった私達は眠い目を擦りながらも、ワクワクしながらネリスエアショーへと出発しました。


公式サイトを見ても公共交通手段での入場方法が全く書いておらず、ネリスへの交通手段は出発前から心配の種でした。とりあえず、ネリス基地の近くにあるスーパースピードウェイというレースサーキットの駐車場がエアショーのために解放されており、そこからシャトルバスを使うと言う事だけ分かっていました。

我々は今回レンタカーを使っていないので、タクシーでスーパースピードウェイに向かう事としました。
大体30分ほどでスピードウェーに到着しました。タクシーの運ちゃんにチップ込みで50ドル程渡して、クルマを降ります。

さて、トランクに積んだ荷物を降ろそ...っておい


タクシーが走り去ってしまいました
Σ(゚д゚lll)ガーン




おおおーーーーいい!!

手を振って追いかけますが止まりません!


...が、気が付いてくれたようです。


オーソーリーじゃないよ。心臓が縮みました。
携行品保険が1品に付き10万円までしか保証していないため、半額も戻ってこないのですから...。
お金だけではありません。一眼レフは去年(2004年)のサンダーバーズ来日に合わせて買ったのに、肝心の時に使えなくなっては...いやはや焦った(´ー`;)

タクシーを降りたのはいいものの、スーパースピードウェイの周りはなーーんにもないだだっ広い平地で、どこにエアショー行きのバス停があるのかが全く分かりません。しばらく歩いていると迷彩服を来た軍人らしい集団が見えてきたので、場所を聞く事にしました。


エクスキューズミー!

あー、ウィーウィルゴートゥーネリスエアショー。ウェアイズバスストップ?

え?なになに?といった顔をしています。通じてないようです。
どーせ発音悪いですよ。


ともかく、エアショー!エアショー!バスストップどこどこ?


気合とハートで異文化交流を試みます。

あーエアショウ?バス停アッチネー。


やっと通じたようです。軍人さんセンキューベリーマッチね。


空港の金属探知機のようなゲートを発見し、まだ数人ほどですがエアショー待ちと思われる列がありましたので、しばしそこで待つ事にしました。


1時間以上待ったでしょうか。列も大分長くなった頃、ようやくシャトルバスが動き始めました。
往復のバス料金2ドルを払い、荷物検査を受けます。
公式サイトでは大きなバッグなどは持ち込み禁止と書かれていましたので、私の使ってる少々大きめのカメラバッグは大丈夫かな...と少し心配していましたが、どうやら杞憂だったようです。
バッグの中身を調べられ、何事も無くバスに乗り込みました。


横田などのエアショーに行かれた方は分かるとおもいますが、ネリスエアショーのパンフレットはとてつもなく大きく、ページ数が多いです。
恐らく、空軍の機関紙のエアショー特集を配布しているのでしょう。地元の家や自動車の広告まで載っており、最新情報もふんだんに記載されています。

パンフを見ながら本日の過密なフライトスケジュールにニヤニヤしつつバスが出発しました。



ネリスには、もう到着したも同じだけど帰りはどうするかな〜。
スピードウェイの周りは殆ど無人に近く、市街地方面に帰る手段が皆目見当がつかないのです。
前年にネリスに行かれた方のネリスエアショー案内を熟読していましたが、本気で辺りは砂漠しかないため少々不安になっていました。


ひれくんと帰りの手段などを検討していたら、前席から突然...


「もしかして日本からこられた方ですか?」


お、日本語で話し掛けられました。私達が日本語で話し合っていたのを聞いたのでしょう。


はい、そうです。


「泊ってるホテルはどちらですか?」


ホテルラクソーです。

...これはもしや帰りを心配しなくて良いパターンに?


期待高まる中予想だにしなかった衝撃の返答が!









「ひょっとして○×▽BBSに書き込まれませんでしたか?」










ぶふぁはははははははははは!(爆笑)






そうなんです!
出発の一週間ほど前に、とあるラスベガス関係の掲示板に「ネリスエアショーへ行く方いませんか。情報交換しましょう」と書き込みしてたのです。
その中で、ある人物が私も行きますのでクルマに乗せてってあげますよ、よろしければメールくださいとレスしていただけたのです。
ただ、条件面で折り合いがつかなかったため、メールはせずに掲示板でお断りする旨を書き込んで、それっきりになっていました。

そしてそのレスをしてくれたご本人とこうして会ってしまうのは何という偶然なのでしょう!

世界は広いようで狭いんですね。

互いに自己紹介し、森さん(仮名)の宿泊しているホテルが我々のラクソーと近かったようなので、ご好意に甘え、バス乗り場で待ち合わせということで、帰りは送っていただくことにしました。
本気で困っていたので大変助かりました。


バスに揺られる事5分、ようやくネリス基地へ入場です。
が、門に入ったところでバスに女性兵士が乗り込んできました。
先ほどのバス停でチェックを受けた際に荷物に札をつけられましたが、その札を確認しているようです。厳重な警戒ですね...。

バスが進みだしたて、はやく到着しないかなと左側を見ると...




MiG-29!!




思わず声をあげてしまいました。

ミグですよミグ。しかもミグで一番最新のMiG-29。
アメリカのネリス空軍基地に来て一番最初に見た飛行機がMiG-29だなんて誰が予想できたでしょう。



こちらは帰りに撮影した写真です。
東欧のどこだかの国が米国に数機売却した中古のミグらしく、見てのとおり完全に朽ち果てたなれ果ての超オンボロ(^^;)
アメリカは本当なんでもアリだなあと実感しました。

(ひれ君撮影)
M4アサルトライフル(だと思う)をぶら下げています。コワイヨー


エアショー自体の内容はレポートをご覧下さい


初の海外エアショーでしたが、本当素晴らしい。
国内のエアショー20回分の価値があると言っても過言ではありません。

航空自衛隊の航空祭と一番違う点を一つ挙げるとしたら、やはりエアショーに対する意気込みの強さでしょう。

例えばサンダーバーズ。バーズとブルーインパルスどっちが凄いか?
と、言われればどっちも凄い。としか言いようがありません。が、エアショーに対する意気込みの差だけは見て取る事が出来ます。

ともかく、エアショーに対する意気込みの差とは何かを語る前に、一つムービーを見てください。
サンダーバーズ...中画質87,610Kb
3分55秒あたりから40〜50秒ほどだけで結構です。(ヒマがあれば全部見ると面白いですよ)


はい、実際にブルーインパルスを見た事のある人は「エアショーに対する意気込みの差」を感じていただけたと思います。

その答えはBGMとフライトの演出にあると言えるでしょう。ブルーインパルスは凄いし、感動的です。私はとても大ファンです。
しかし、ショーであるはずなのだから、ブルーインパルスにはもう少し演出面にこだわって欲しいと思います。
実はブルーインパルスにもBGMはあるし、アナウンスもあります。しかし、アナウンスはこれから何をやるかを淡々と述べるだけですし、BGMに至っては元々基地の既存と思われるしょっぼいスピーカーから、考えて選択したとは思えない音楽が流れるだけで、ブルーインパルスのフライトに対し、演出が異様なほど負けています。

エアショーは「ショー」です。エアショーの運営費のレベルから桁が違うのかもしれませんが、その点も含めて、遠路はるばるやってきたお客を楽しませるという意識がこのような差に繋がって来ていると思われます。
何せ自衛隊の航空祭は所詮は地域の商工会議所程度の広告を入れたパンフを刷る程度ですが、ネリスの場合は貨物機を出展したフェデックスを筆頭に、ボーイングやジェネラルエレクトリック、ロールスロイス、その他石油メジャーやら世界を代表する企業がスポンサーになっている事からも、それは分かります。
むろん、そんな大規模なスポンサーが付いたエアショーを比較しては酷ですが。
私なんて所詮はたかが1回、しかも世界的にはさほど大規模でもないネリスに言っただけです。しかし、その1回ですらこうした差を体験する事が出来たのですから、やはりネリスエアショーは国内のエアショー20回分の価値が有ったと断言できるでしょう。
サンダーバーズの例を挙げて駄文を書きましたが、無論他の展示飛行にもそのまま当てはめる事ができます。

仮設トイレだって凄いですよ?
絶対に行列なんて出来ないほど設置されていますし、汚物タンクから全く不快な臭いがしないんです。

それどころか、いい香りで深呼吸したいぐらいです(笑)

これは冗談ではありません。



ネリスは西海岸に近いラスベガスにありますから、日本から行きやすいですし、実際日本人の観光客も多いのでしょう。空港では日本語のアナウンスすら行われています。
そのネリスにしても、脚立使ってるのは100%日本人という状況で(笑えるけど悲しいw)、最前列は明らかに日本人と思われるアジア系がいっぱいです。
先に例であげたバーズにしても

United states air demonstration squadron, The THUNDERBIRDS!!

のアナウンスと同時に日本人女性らしい「来たよー(^^)」の声が聞こえます。

というか100%日本人です。私がトイレから最前列に戻ってきたとき
エクスキューズミーって前に通してもらったのに、そのお連れさん同士でちゃっかり日本語しゃべっていましたし。
日本人相手にエクスキューズミーって言った私の立場が...(つд`)

ムービー中で咳き込みまくってるバズーカ持ちも日本人です。
必死こいて最前列確保して写真撮影しようとしてるのは邪道な日本人しか居ないんです(笑)

(ひれくん撮影)
最前列から後ろを眺めるとこんな感じ。
みんな同じ方向を見てることから飛行展示中だと分かりますが、見てのとおりガラガラです。
パイプ椅子(しかも星条旗柄)に腰掛けてゆっくり展示を見るのがアメリカンエアショーの王道です。
ちなみに縦に細長いの突起物はスカッドミサイル。


色々と書きましたが、一言で纏めると「ネリスはヤバイ」と言う事です。
まだ飛行機ファンなのに海外エアショーに行った事ないなら、機会があればぜひ足を運んでみては如何でしょうか。いや、機会は自分で作って絶対に行くべきです。
費用だって10万円ちょっとで済んでしまいます。


ただ、エアショーの中の店は超ボッタクリなのが気になります。

ミネラルウォーター 4ドル。
コカコーラ 5ドル。
パンにチキンを挟んだだけのハンバーガー 5ドル。


150円でジュースを売ってる日本の航空祭の出店は本当良心的です。

ちなみに、ひれくんが買ってきた5ドルのコカコーラは、

彼自身の不注意で私のパンフレットの上にぶちまけてしまいました。

幸い近くに置いてあったカメラバッグは即座に動かしたため被害は及ばなかったものの、
本当ひれくんは愉快な奴です。 (´ー`メ)





閑話休題。
サンダーバーズも終わり、一日中太陽に恵まれた初日も夕暮れを迎えようとしています。
最後の最後にプレデターの奇襲を喰らい(詳細はレポートで)、朝に見かけたMiG-29を見て、森さんの待つ、駐車場へと向かう事にしました。


駐車場<>会場シャトルのバス停付近、MiG-29の近くでひれくんが撮影。
警察官も本当アメリカ的でカッコええなぁ。

またこのエアショー会場のバス停が素晴らしく、広い平地に10箇所ぐらいあるんです。
その10箇所にバスが止まり、同時に並行してピストン輸送するためシャトルバス待ちの行列ができません。
たびたび日本と比較しますが、自衛隊の航空祭の場合は、ピストン輸送用のシャトルバスが多くてもバス停は1箇所のため、どうしても乗客の乗り込み待ちのバスが無駄に列を成す場合をよく見かけます。
これも広大なアメリカならではのエアショー運営ですねぇ...。
ネリス基地は辛うじてラスベガスながら砂漠に面しているという場所にあり、無駄に広い土地に無駄に広い道路が通っているため、バスが基地を出ても全く渋滞は発生しません。


バスは、再びスーパースピードウェイの駐車場へ向かいます。



しかし!




バスが着いた所は先ほどと違う駐車場でした。





バスの運ちゃんに、朝2ドルだして買ったチケットを見せますが、


「このバスは赤いチケット用で、そのチケットの駐車場には行かないよ。」

って、確かに駐車場にもバスにも赤い印が付いていますが、私が持っているチケットは青です。


えー、まいったなこりゃ(´・∀・`)




赤と青の駐車場はざっと見積もっても数キロはあります。
朝に約束した森さん(仮名)を待たしてしまうなぁ...と、悲観しても仕方ないので歩いていたら...





パトカーが我々の前に止まり、なんとポリスが私たちに声を掛けてきました!



「ヘイ、アジアのボーイ乗ってかないか?」





パトカーに乗せてもらっちゃいました。(ノ∀`)タハー
しかし、護送車じゃないのかなこれ…(笑)




青の駐車場に連れてって〜と伝えると


ブラボー?
とかポリスが言い始めました。


ブラボー?なんのこっちゃ?

「グラベルかって聞いてるんだよ」と、世紀の壊し屋ひれ君が一言。


私は英語の発音が全然聞き取れません。
先の大戦でわが国とドイツが米英を倒していれば日本語でよかったのに。悔やんでも悔やみきれません。

話しは変わりますが、エアショー開催中、米国人にはどうも私のカメラが珍しいらしく、レンズやカメラの事でよく話し掛けられます。何ミリなの?とかぐらいしか答えることができませんが、一番困ったのは

「グランズ」

グランズ?(´д`;)

全く分かりませんが、答えは「good lens.」
おーせんきゅーせんきゅー。

ちなみに会場で見たデジタル、フィルム、一眼レフ、コンパクト問わず、全てのカメラに日本のメーカーの名前が刻まれていました。
ここはアメリカです。それなのに100%が日本製です。
さらに話しは飛躍しますと、自動車も1/3は日本製です。
日本だと9割は日本車で、残った1割の外車の内さらにその7割近くはベンツ、BMW、ワーゲンでなどドイツ車が占め、アメ車なんて1日クルマで走っても見るか見ないか程度しかないのに、本当日本の技術力は凄いなと実感しました。




パトカーで移送されること数分、青券の駐車場にやってきました。朝に出発した場所です。

おーーここだ!ザットザット!(that! that!)


パトカーを降り、ポリスマンにサンキューベリーマッチと感謝を述べると

がっちり握手して「ユアウェルカム。」

恩人の笑顔忘れられません。


正直、渡米前のアメリカンポリスのイメージはファイナルファイトのステージ3のボスだったのですが、ナイスガイばかりでした。




パトカーを見送ると、森さん(仮名)がこちらに気がつきました。

ああ、よかったこれでラクソーに帰れる…。

森さん(仮名)が運転するレンタカーに乗り、駐車場を抜けます。

この場所からハイウェーはすぐ近く、かつハイウェーまでの道路も片側4車線(3車線だったかも?)なので、航空祭名物大渋滞もなんのそのです。
しかし、こんな砂漠の始まりの場所に広い道路が必要なのでしょうか(笑)



自動車で移動中に、森さん(仮名)とお話しをしますが、どうやら森さん(仮名)は


マイル修行僧と呼ばれる、私たちは違ったタイプの飛行機ファンのようで、航空会社の上級会員を維持するため、狭い座席でひたすら耐え難きを耐え、忍び難きを忍び毎年規定のマイルを溜めるため飛行機を利用するそうです。

つまり、旅行するために飛行機を利用するのではなく、飛行機を利用するために旅行するのであって、今回森さん(仮名)は、なんと



シンガポール経由でラスベガス





だそうです。実に様々な飛行機ファンが居るものですねヾ(´∀`)ノ


途中、ボンズとかいうメジャーリーガー風の名前なスーパーマーケットでお買い物。
なんと水が6本で3ドルという激安価格!
グランドキャニオンやネリスでいかにボッタクリ価格であったかが窺い知る事ができます。

ひれくん「プリングルスでも買って明日ネリスでくおーぜ。」

というわけでお菓子も購入しクレジットカードで支払いを済ませます。




、「コニチハ」



!!!!レジのおっちゃんなんで日本人とわかったとですか!
コリアンかもチャイニーズかもしれないのに。
こんにちはと返しましたが、不思議です。


あとは森さん(仮名)に明日5時集合という段取りをつけて、ラクソーに直行して一度部屋で荷物を降ろし、食事をして寝ました。なにせ4時起きですから。

ちなみに昨日のお風呂トラブルは解決済みでした。
ひれくん、もう壊すなよ(´ー`)

(本ページはひれさんの検閲を受けた後に公開しています。)
(一部無かった事にされています。)

1日目長躯遠征〜ラスベガス観光

2日目ラスベガス・グランドキャニオン観光

3日目ネリスエアショー初日

4日目ネリスエアショー最終日&5日目RTB

ネリス行きたいんだけどどうすりゃいいの?


エアショーレポート


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