自衛隊新たなる旅立ち
====民営化への道====

「内閣総理大臣 織田信長」というギャグマンガがある。古本屋で初めて手にしたとき、思わず笑ってしまいわざと咳き込んで誤魔化して難無きを得た。が、この咳き込んで誤魔化すのはメジャーすぎるので恐らく周りにはバレていたと思われる(笑)

さて、その内閣総理大臣織田信長の7巻77話に『自衛隊新たなる旅立ち』と題するモノがあり、面白いので紹介しようと思います。。なお、丸写しはマズイとおもわれるので、あるていどかえております。省庁名称は改名前です。


日本の平和を守る自衛隊。財政困難の中、防衛費はこのままでよいのか。自衛隊はどうあるべきなのか。新防衛大綱作成を前に織田政権内にも大きな路線対立があった。

記者
「徳川大臣。徳川派としてはどのようなスタンスなのでしょうか?」


徳川家康 農林水産大臣
「削減じゃ、大幅削減じゃ。財政再建のために聖域なしじゃ。おのおの方、今何百兆円もの赤字債権があるかご存知であろう。
こんな次期に何兆円も防衛費にまわせまい。そんなカネがあるなら少しでも農業振興にまわすべきでござろう。」
「刀や槍がのうても人は飢えぬが鋤や鍬がのうては人は飢えるのじゃ。」

記者1
「有事より平時か。結構頑固な農業主義者だな。」


記者2
「平和主義というより、
ケチだねありゃ
なんとも家康らしい言葉。記者の感想も本物の家康をっぽくて笑える。家康はちょっと太りぎみのおっとりした容姿である運動神経は見た目に似合わず良い。
浜松静岡選挙区候補。家康のポスターをみた女子高生いわく「ヤーダ〜。この人サコクしそ〜」


記者
「柴田長官。新防衛大綱について一言。」


柴田勝家 防衛庁長官
「そりゃそれなりに整備拡充しなきゃならない。不安定要因の多いアジアの中で主権国家としてやっていく以上、当然のことだ。」

ケチな家康に比べてまともに聞こえる柴田長官の言葉。さすが織田家中随一の猛将だけあってちと発言も武闘派的発言。
勝家は福井選挙区出身。妻に信長の妹の柴田市がいる。


そのころ、信長は…(場面は富士山に切り替わる)スーツ姿で90式戦車に乗りながら

織田信長 内閣総理大臣
「目標1200、てーー!………よしよし、命中。ふっとびおったわい。これではビルも吹っ飛ばせそうよのう」


目標はなぜか毛利や上杉に武田の家紋の書かれている板であった。

えらそうな陸上自衛官
「ええ、独製ラインメタル120mmの威力にございます。 総理、90式ごたんのういただけましたか? お次は何にチャレンジなさいますか?なんなりとリクエストしてください。」


信長
「うむ。そのまえに野戦カレーを所望する。」


飯炊き陸上自衛官
「しかし、総理は視察とか言って、どうみても
遊びに来ているとしか思えないなぁ」

えらそうな陸上自衛官
「バカモノ楽しそうにご視察いただけて結構なハナシじゃないか。歴代総理のなかで織田総理ほどわれわれと屈託無くたわむれてくれた方が他にあるか?あの方は
我々の良き理解者だ。」
なお、信長はこれにふつうの背広を着たような容姿。愛知選挙区で圧勝している。おもいもよらない政策ばかりうちたてるが、なぜか最後には良い結果におわる。400年振りに政権に復帰した戦国大名では初の総理大臣で就任時に支持率80%を超えていた。が、所信表明で「泣かぬなら殺してしまえホトトギス!!」と言い放ち一気に暴落する。やることも奇抜で二話めから早速内閣不信任案をだされて国会を解散する。その解散という行動は国会議事堂を爆破だった。





夜。官邸前。

羽柴 秀吉 大蔵外務科学技術…7つ兼任大臣
「との〜何に乗ってるんですか、」


信長
「ああ、これか?60式106mm自走砲。なかなか小粋な乗り物であろう。」


羽柴大臣
「悪ふざけはいいかげんにしてください、自衛隊は殿の遊園地じゃないのですぞ!周りは殿がうつけたまねをしていると見ていますぞ。」


信長
「うつけと呼ばれるのもひさしぶりよのう。しばしうつけぶりをみておれ。」


羽柴大臣
「いやまてよ…殿は桶狭間のときもそうであった。大事のときにはうつけを装い意図をあかさぬことがある。しばらく待つとするか…」


羽柴大臣は大阪選挙区出身。常に圧勝である。選挙活動での公約は「阪神タイガースシリーズ10連覇!」
文部大臣に働きかけ優秀な学生に手を回し、外務大臣なのを活かし有名メジャーリーガー取得する…と言ってました。おかげで開票から数10秒で当選確定。






ドドドドド…ドゴドゴ…ボフ

記者
「どうでしたか?
魚雷艇での隅田川の花見は」

信長
「ん〜はやくて動体視力の検査みたいだったのぅ。」


記者1
「ところで総理。党内で防衛大綱について意見が割れているそうですが根本的な改革などがあるのでしょうか?」


記者2
「そうそう。徳川派の言う
保安隊当時の規模まで縮小とか。財政が厳しいですからね〜。」

信長
「まぁこれだけはいえる。わしの政権下ではじえーたいは、じえーたいって事には変わりない。どんどんがんばってもらわんとな。」



〜新防衛大網の日〜

信長
「それでは新防衛大網について発表します。現下の逼迫した財政状況にかんがみ、自衛隊を改変。」


「民営化独立採算性をめざし、『自営隊』としてがんばっていただきたい。」

記者
「ええ!自営隊?」

「独立採算性?」

「国鉄方式ですか?何で儲けるのでしょうか?」


信長
「事業の参入先は運輸、建設等詳細に検討中である。当初は政府持ち株会社での助成もいたせねばなるまいが、いずれ完全民営化を果たせば国に税金がはいる。国の財政と防衛に貢献してもらいたい。」



将軍クラスの自衛官
「ムチャクチャだーー!」

一般自衛官
「何が自営隊だ。シャレで国政を決めるな。」

「やっていけるわけないだろうが。」
「結局リストラか」
「デモだデモだ。」
「まて、政治活動は禁止されてるぞ」
「いや、政治活動じゃない。生活権をもとめる運動だ!」



官邸前に場面はうつる。「民営化反対」「自衛隊死守」などかかれたプラカードをかかげて自衛隊と機動隊で押し問答。

機動隊
「ここは官邸前です。デモ隊は解散しなさい」


一般自衛官
「代表者だけでも総理にあわせろー」

「面会しろー」

機動隊
「デモ隊は解散しなさい」



〜百里基地〜
航空自衛官
「ああ警察隊とにらみ合ってらちがあかん。我々も援護しよう」

〜再び官邸前へ〜
きぃぃぃん
一般自衛官
「おお、ブルーインパルス隊だ。空自の連中だ。」

「やるな〜空になんか書いてる。空からのアピールだ。総理もたまげるぞ〜」

9機のブルーインパルスが空に書いた文字↓


羽柴大臣
「ああ空自も抗議にまいりましたな。」


信長
「カイ イタ エン ンハ ミ…なんのこっちゃ。暗号か?」




====前編終わり====


富士山ふもとに、27万隊員を集める。

一般自衛官
「総員敬礼っ。」

「総員体育すわり!

自営隊組織図
一部

社会インフラ方面隊 住宅整備師団
高速道路整備師団
日本道路整備師団
森林資源開発師団
水源確保開発師団
都市再開発師団
土地区画整備師団
農地造成機甲師団
社会サービス整備方面隊 高齢者介護サービス旅団
普通医療サービス旅団
特殊医療サービス旅団
機甲除雪旅団
婦人自衛官保育連隊
防衛大教官予備校
総合運輸方面隊 機械化宅急便師団 バイク連隊×7
トラック連隊×30
機甲自動化連隊×7
特殊車両連隊×7
飛行運輸空団 空挺パラシュート降下宅急便
大型貨物輸送飛行隊
超音速宅急飛行隊
空中新幹線飛行隊
科学技術整備方隊 宇宙開発旅団
地下資源開発師団
特殊新薬開発連隊


一般自衛官
「おお〜なんだなんだ」

「これが新しい職種か…」
「整備師団。開発師団。妙な説得力を感じさせる名前だな。」
「結構いろんな業種があるな」


信長
「どうじゃ。たくさんあって目移りするじゃろう。質問があればわしみずから仔細に答えてつかわす。」


一般自衛官
「では、総理。早速ですが住宅整備師団とはどのような事業内容なのでありますか?やっぱり住宅を供給するのでありますか?」


信長
「どいかにも。自衛隊の高い技術力で設計から施工まで一貫受注。機械力を生かした短い工期とメーカー直接大量発注で低価格な快適堅固な住宅を販売してもらいたい」


一般自衛官
「ふ〜んなるほど。トーチカつくるよりやりがいがあるよなぁ。施設科連中にぴったりだな。」



一般自衛官
「では総理。総合運輸方面隊について詳しく知りたいのでありますが。」



信長
「まぁそれは陸海空総合運輸宅配事業ということであるな。各地の駐屯地を中継地点にし、全国に事業を展開。」




信長
「道無き道も走破し必ずお届け。」




信長
「さらにとどめはF-15便。マッハ2.5で毛ガニが50分で沖縄に運べる」





一般自衛官
「次ぎは飛行運輸空団の空中新幹線飛行隊についてお答えください。」


信長
「よくぞ聞いてくれた。これこそわが会心の超優良事業。21世紀の大動脈じゃ。仕組みは簡単。まず東京から入間まで新幹線を延長。入間からそのまま自衛隊の大型輸送機に乗り入れ、あとは小松なり新田原なりとび、在来線に接続いたす。名づけて飛行北陸新幹線。飛行九州新幹線。フランスのTGVをぬいて世界最速の鉄道じゃ。」


一般自衛官
「それって鉄道じゃないじゃん」

「たしかに東京から乗り換えナシは便利だよな
「重過ぎる。C-130Hでも無理だ。」


信長
「以上である。隊員諸君にあった職種があると確信している。」


一般自衛官
「総理がそこまで言うなら…毎日の訓練もつらいもんなぁ。民営化してもいいかな…」

「賛成も反対もしないってところかな。シビリアンコントロールだし」



新聞社に場面がうつる

記者1
「これが自営隊編成表か。何だコリャ自営隊模型製作『自営隊オリジナル設計図元に超精密プラモデルをお届け。』」


記者2
「よくそんな細かい仕事までみつけるな。」


記者3
「しかし、最大の問題は国防だ。日本の安全保障はどうなる?」


記者1
「それは、安全保障事業部というのがあって『防衛庁管轄下のF-15が200機体制で日本の安全をバッチリサポート!』バッチリか…なんか軽薄だな。」




〜国会〜

野党議員
「財政再建の観点からみますと自営隊法案は注目されますが、日本の安全保障はどうなるのでしょう?」


信長
「え〜わが国の安全保障について懸念とのことですが、それでは私からお尋ねしたい。」

「わしが総理をつとめる国に攻め寄せる無謀な国がこの地球上にありますでしょーか?」



〜市谷駐屯地〜

将軍クラスの自衛官
「わが部隊は住宅整備師団営業連隊に改変された。速くも完全民営化。収益をあげて国家財政危機回避に貢献しよう。それでは営業演習に出かける。全体〜すすめ!」





〜官邸〜

柴田市 信長の妹
「私が安全保障だというのはいいけど、兄さんが総理じゃなくなったらどうするの?」


信長
「まぁ心配するな。その頃には軍備がのうてもたっていく世界になっておろうて。」



「そうね。本当にそうなるといいわね。」




===終===




…と言った感じです。まぁこんな感じで首都移転問題や新札発行、外交問題などをおこなっていく漫画です。
マジに面白いので買いましょう。


もどり。