| ドイツでの会合を終えて国へ戻る合衆国大統領。特別厳戒令も解除され、日常の訓練へと戻りつつあった。
 
 
 「……オースティン、給油機への接続を許可する。現在進路360,高度10000,速度270。」
 
 今日の訓練は空中給油。決して簡単なものではないが自転車と同じで、1度でも成功すれば以降難なく出来てしまう。
 MAYA「オースティン1、たらふくご馳走をいただいた。オースティン2、続けて給油に移れ。」
 ANTHEM「了解。」
 
 全機給油を終えて、再び給油訓練に入るために給油機へとコンタクトをとろうとした瞬間、無線回線に割り込みが入った。
 
 
 「オースティン!ビッグバード(AWACS)。エアフォースワンへ所属不明のミグ戦闘機が急速接近中。武器の使用を許可。全速力を持って東へ向かいこれを殲滅せよ!」
 
 MAYA「了解、直ちに急行。交戦を開始する。」
 ANTHEM「オレの初陣だ。アーチャーなんぞ積んだラスキーに負けてたまるか!」
 MAYA,ANTHEM機共に増槽を落下させアフターバーナーに点火し超音速で邀撃に向かう。
 
  「エアフォースワン、不明機による攻撃を受けている。繰り返す、こちらエアフォースワン、不明機による攻撃を受けている。君らが頼りだ。よろしく頼む!」
 
 MAYA「言われなくともやるさ……オースティン1、FOX3!」
 最新型のAIM-120AMRAAMミサイルを4機のミグに対し一斉に発射し、数秒後、大空に爆発の輝点があらわれ4機全て破壊された。
 
  MAYA「スプラッシュミグ、シエラホテル!!」
 
 ANTHEM「…遅れをとってたまるか、オースティン2、FOX3!」
 2発のAMRAAMが機体から放たれ、白い軌跡を残す。
 
 ANTHEM「行け…行け……うっしゃー、オースティン2、ミグ撃墜ミグ撃墜!!!」
 2機のミグが木っ端微塵に吹き飛びANTHEMが初撃墜を記録した。
 
  「オースティン、こちらビッグバード。さらに6機が接近中!」
 
 
 MAYA「久々の実戦…この緊張感が懐かしい。」
 ボヤキながらもミグをサイドワインダーの餌食にし、もう1機のミグとドッグファイトに入り、数回旋回を続けていくうちにミグの尻に弾丸を撃ち込みさらに1機撃墜した。
 
 
 「エアフォースワン、被弾した!真後ろにミグがガンを撃っている!早く追っ払ってくれ!!」
 
 
 ANTHEM「奴か、ガンにはガンで仕返ししてやる。」
 高高度から急降下しミグに一連射を浴びせそのまま離脱した。直後ミグが火を噴き、そのまま錐もみ状態になり撃墜と判定された
 
  
 残った3機ミグは逃げ出した。
 ANTHEM「逃がさんッFOX2!」
 遁走するミグにサイドワインダーを発射しさらに1機撃墜をマーク、残る2機のミグは遁走中にお互い衝突し我が部隊の功績とされた。
 
 
 「エアフォースワン、我々は無事だ、貴隊のおかげで助かった。基地へ引き返し緊急着陸する。」
 
 MAYA「オースティン1、了解。着陸までエスコートする。」
 ANTHEM「4機撃墜したっすよーー!隊長は6機撃墜しましたね。さすが先輩!」
 
 エアフォースワンと編隊を組むと、窓からこちらに手を振っている人の姿が見える。そのときに通信が入った。
 
 「こちらアメリカ合衆国大統領。貴方らは私達の命の恩人だ。この恩には必ず報いたい。それでは着陸後君達に会えるのを楽しみにしている。以上。」
 
 
 
 
 
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